食事に関する初めての本
大学時代にも一人暮らしをしていたけれど、アルバイトや勉強、麻雀など色々と忙しくたびたび外食やスーパーの惣菜に頼っていた。
実家では母が祖母の介護に忙しく、スーパーの惣菜に頼りきりだった。食品添加物の知識が若干あったので、今の食生活では健康を害するかもしれないと危惧していた。一人暮らしを始めたのは自衛の目的もあった。
ところが、いざ一人暮らしを始めてみると食材のやりくりに苦労することが多かった。食費を抑えるためにはある程度のまとめ買いが必要だからである。また、メニューから食材を考えていたので、食材が不必要に多種類となってしまい、あまり効率的な運用ができなかった。一度だけモヤシを冷蔵庫の中に放置して腐らせてしまったけれど、それ以外の食材を腐らせなかったのは不幸中の幸いかもしれない。就職と同時に実家暮らしに戻り、スーパーの惣菜が大半を占める食生活に戻った。
就職して7年目ぐらいの時に魚柄仁之助氏の『冷蔵庫で食品を腐らせない日本人』を読んだ。そこには食材を化学的な添加物を使わず保存するための道具や材料をとても分かりやすく説明してあった。文章も簡潔ですぐに実行できそうな内容ばかりだった。現代日本人の食生活に対する批判もなかなか面白い。これを読んでから、魚柄仁之助氏の著書を色々読ませてもらった。著者のユーモアに富んだ独創的な思想や食生活を楽しむための数々の工夫がとても刺激だった。
その中でも日常的に実践している保存方法は「自家製乾物」である。ホームセンターで干し網を購入して、ニンジンやゴボウ、レンコンなど主に根菜類を一定の大きさに刻んで数日間しっかり乾燥させる。その後乾燥剤を密閉容器に入れる。水気に十分注意すれば月単位で保管することが可能である。これらの乾物は水分を吸収する事で、完全に元の状態とはならないけれど、ある程度柔らかくなる。今は葉物野菜を加熱する事で出る水分を使っている。常識的には根菜類を先に加熱するべきらしいけれど、今のところ体調は悪化していないので、これで良しとしている。
お陰で市販されている加工食品をほとんど購入せずに済んでいる。