処方箋調剤における基本料金の確認方法(2020年9月時点)
今は院外処方箋が多数派となり、薬局で処方薬をもらうことが多くなった。しかし、どうせ同じ薬をもらうなら安いほうが良いというのが人情というものだ。薬局で薬をもらう時にかかる費用は、薬局ごとに決まる料金と、受付時間・薬の種類・調剤方法などによって決まる料金に大きく分かれる。前者が基本料金に当たるものだけれど、積極的に調べなければ、実際に領収書をもらうまで分からない料金である。
基本料金を請求するためには、それぞれの要件を満たすための実績を作り、保健所に届け出を行う必要がある。薬局はそれぞれに特色があり主に以下のものがある。
1.特定の医療機関だけでなく、様々な医療機関から幅広く処方箋を受け付けている。処方箋の受付回数が多い。
2.ジェネリック医薬品を高い比率で調剤している。
3.医療用麻薬の調剤を行っている。定期的に患者宅に訪問し、服薬指導を行い処方医に情報提供を行っている。処方箋を休日や夜間あるいは24時間受け付けている。処方医に対する情報提供や多職種との連携が積極的、などなど。
1は調剤基本料、2は後発医薬品調剤体制加算、3は地域支援体制加算に関連している。この3つは薬の内容や調剤方法などに関係なく請求される料金である。
これらの算定状況がどうなっているか確認するためには、薬局の届出受理医療機関名簿という一覧表を見る。これは「調べたい県 届出受理医療機関名簿 厚生局」で検索→厚生局のサイトにアクセス→「施設基準の届出状況(全体)」からpdfファイルやエクセルファイルをダウンロードすることで手に入る。
この一覧表の受理番号という列に薬局が届けている施設基準が略称で記載されている。例えば(調基1)は調剤基本料1、(後発調1)は後発医薬品調剤体制加算1、(地支体)は地域支援体制加算である。それぞれの基本料や加算の点数は以下の通りとなる。
調剤基本料が低い場合の点数は、卸との納入価の妥結率が半分以下だったり、報告をしていない、またはかかりつけ機能に関する基本的な業務を算定しない場合となる。しかし、まともな薬局ならできている業務なので、基本的に高い方の点数となる。
一番安い薬局は、調剤基本料が特別基本料であり地域支援体制加算や後発医薬品調剤体制加算を届け出ていない薬局で9点となるけれど、これはあまり現実的ではなさそうだ。
まともに届け出をしている薬局で一番安いのは、調剤基本料3ロのみの届け出で16点となる。自分が住んでいる県では1%もなかった。
一番高い薬局は、調剤基本料1、地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算3を届けている薬局となる。この場合は108点となる。自分が住んでいる県では15%ぐらいが該当した。
結局普通の薬局での基本料金の差は108-16=92点で、金額にして920円である。これに対する負担割合は大体1~3割なので、90円から280円ぐらいの差となる。この差をどう捉えるかは人それぞれだけれど、少しでも安くしたければ参考になるかもしれない。