株式と定期預金は意外と似ているかもしれない
定期預金と株式は基本的には全く異なる金融商品と一般的に考えられている。しかし、違うようでも同じように感じる部分がある。それは、定期預金は元本保証されているけれど株式は保証されていない、ということである。
株式は上場している場合、価格は常に変動していて、大きく値を上げることもあれば、大きく値を下げることもある。倒産間近の企業については価格はほとんどゼロとなる。一方、定期預金は満期まで預金していれば、あらかじめ決められた利息の分だけ預金額が増える。しかし、物価も常に変動していて価格が安く時もあれば、需要が過剰になり価格が上昇する事もある。また敗戦直後の預金封鎖があると預金の価値はほとんどなくなってしまう。結局、実質的な価値を考えると預金額が常に同じ価値を示しているとは限らない。従って、実質的な価値まで考慮すると元本保証の金融商品は物価連動国債といえるだろうか。
アメリカでは個人が物価連動国債を購入するのは容易だけれど、日本には個人向けの物価連動国債はまだない。その理由は日本ではまだ物価上昇が定着していないからだ、と言われている。しかし、物価上昇はいつ始まるか誰にも分からない。敗戦直後のように物価上昇が急に起こることもある。そういう意味で痒いところに手が届きにくいところが辛いものである。
今は低コストの株式投資信託を自分で決めた規則に従って淡々と積み立てて企業の収益を少しでも享受していくしかない。もし、日本に個人向け物価連動国債が発売されたら、多くの割合をその債券に充てることになるだろう。