FIREを目指す丸刈り薬剤師の雑記帳

34歳でセミリタイアした薬剤師が考えたことを気分の趣くまま記録します。大体はどうでも良い事を書き連ね、時々役に立つか分からないマニアックな記事を書いています。過去と同じ内容の記事を書くこともあるかもしれませんが、どうかご容赦願います。また投資についての記事もありますが、投資判断については自己の責任において各自判断してください。

株価下落時における株式の投資方法

海外ETFから撤退することによって、資産の構成はとても単純になった。
海外ETF保有時は海外ETF、外貨MMF、日本円で海外ETFからは四半期ごとに米ドルで分配金があったので、そのたびに待機資金として外貨MMFに切り替えていたけれど、その手間(税金に関わる検討や作業も含む)は無くなる。現在はインデックスファンドと日本円のみとなり、コントロールするべきなのは株式の保有比率だけとなる。ちなみに全資産に占める株式比率は現在44%程度である。

正直なところ今後日本円は徐々に価値が失われていくので、日本円を海外債券のインデックスファンドにしておく方が良いかもしれない。しかし、短期的には円高となる可能性もある。そういうときは海外債券は含み損となるので、感情的に海外債券から海外株式に変えることができないかもしれない。そういうわけで現在は日本円と海外株式だけで構成されている。長期的に価値が下がる日本円を多く保有しているという状態はある意味強気な姿勢である。実際、含み益が出ている今は下手に追加投資をしないよう堪えている。
あえて日本円を多く保有している根拠の一つは『マンガーの投資術』にあった「金持ちになる秘訣は、投資の好機が訪れた時にすぐに行動を起こせるように、いつでも小切手口座に1000万ドルの残高を持っていることだ」という言葉だ。さすがにそこまでの資金は準備できないけれど、ある一定の預金額は維持している。また、多くの人は何かと消費に理由をつけて貯金を後回しにしてしまう。自分の場合は10年以上の倹約生活を続けて預金額は増やすことができた側面も大きい。預金額の大きさにも一定の価値があると信じたい。

問題はこの資金をどのように投入していくかだ。
VIGを持っていたときは配当利回りが3%近くになったら追加投資しようと思っていた。ところが3月の株価下落時は「もっと株価が下がるのではないか、円高ももっと進むかもしれない」と思い、さらに買付手数料も無駄に払いたくない感情も加わり柔軟に部分的な追加投資をすることもできなかった。感情的には興奮と恐怖が入り混じっていた。
今はそうではない。名目上は買付手数料がかからないので、少しずつ追加投資することができる。VIGからインデックスファンドに移行した後、幸か不幸か基準価額が少しずつ上がっていき現在は含み益がある。しかし、株価は短期的に大きく変動し、下落するときは大体発作的に大きく値を下げることが多い。今の状況でいつ含み損が発生してもおかしくない。そういう株価下落時こそ投資のチャンスである。でも、もっと値下がりするかもしれない。そこで思い付いたのが、含み損が発生している間、1ヶ月で下落した額と同じ金額を追加投資するという方法である。
日本円と株式を50ずつ保有している場合を考えてみる。株価が1割下がった場合、日本円50と株式45となる。株式は5下がったので、日本円50のうち5を株式に移行し、日本円45と株式50とする。更に株価が1割下がると日本円45と株式45となる。株式は再び5下がったので、日本円45のうち5を株式に移行し、日本円40と株式50とする。これを日本円が生活防衛資金の額に下がるまで続ける。最終的に長期的に運用する資金はすべて海外株式になり、日本の衰退リスクからは「大体」切り離せる。あとは海外の経営者や労働者の皆様に頑張ってもらうだけだ。これはドルコスト平均法の変形であるバリュー平均法に似ている。自分の場合、株式は本当に必要になるまでは断固として売らないことがバリュー平均法と異なっている。

もっとも「大体」というのには意味がある。保有しているインデックスファンドは日本の金融商品なので、誰かがあらゆる手を使ってその価値を毀損してくるかもしれない。申告分離課税の税率上昇、消費税増税による信託報酬の値上げ、超円安・株高で基準価額が急上昇した後での繰上償還→高額課税→価値の低い現金が手元に残る、という方法が今のところ思いつく。「紙の資産」の弱みである。しかし、自分には不動産など実物資産への投資したり、海外移住を試みる勤勉さはない怠け者である。その割には色々考え過ぎかもしれないけれど、これらのリスクは受け入れるべきものなのだろう。まあ、そういった混乱期では他の資産もどうなっているかわからないけれど… 

マンガーの投資術

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